【工房通信】小学校の社会見学を受け入れました。
元気な地元の小学5年生
府中市立旭小学校から、16人の児童と2人の先生が社会見学に来られました。 当日は小雨が降っていましたが、学校から元気に歩いてきたそうです。挨拶もしっかり大きな声で、スタッフも思わず笑顔になりました。
入り口でのアルコール消毒やマスク着用、スタッフとの距離の確保をしていただきながら、1時間かけて本館と別館を見学。「すげー!」「やばい!」といった驚きの反応がたくさん飛び出していました。
店舗を回って家具を紹介
最初に見学したのは一枚板コーナー。
ナラや楠、ウォールナットやネムなど木の種類によって色や模様が大きく変わることを説明します。また、世界三大銘木として有名な「ウォールナット」「マホガニー」「チーク」も実際に見てもらいました。
特徴的な脚についても説明。一枚板を置く脚は載せるだけにして座卓にもなります。その仕組みをミニチュアで見てもらったところ、興味深そうにうなずいていました。
コマが回る食器棚
「職人のわざだ!」 そんな感想が聞こえたのは、当社工場で1点一点オーダーメイドで作る食器棚「車力」。扉を動かすたびにコマが回り、コロコロと可愛い音を出す様子に驚いていました。
生活を彩る絨毯コーナー
当社がイランから買い付けているギャッベやペルシャ絨毯のコーナーも紹介。 「イラン」という国はまだイメージが湧かなかったようですが、いつか世界史を学ぶときに「あ、ここか!」と思い出してもらえたら嬉しいなと思います。
府中家具の歴史を紹介
最後は本館2階の箪笥コーナーを見学しました。ここには、300年かけて府中家具が有名になった代名詞とも言える婚礼箪笥が展示してあります。
一つ一つの造りが職人のアイデアや工夫で作られたことを説明します。「釘は使うんですか?」という質問もあったので、釘をほとんど使わずに作る木工技術についても説明しました。
真剣に聞き入る生徒たちは、見ていて気持ちよかったです。地域のおかげか、家庭のおかげか、学校のおかげか。素敵な大人になってほしいなぁとしみじみ思いました。
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府中家具の歴史についても少しだけ説明しました。 島根県から銀を運ぶ石州街道の出口として栄えた広島県府中市は、河川を利用した運搬の通過点であり中国山地で切り出した木材が集まる場所でした。また、比較的雨の少ない瀬戸内の気候は木材の乾燥に適していました。 そういった場所と天候が家具作りに適していた中で、大阪で家具作りを学んだ内山円三が広島に持ち帰り府中家具として技術が広まったといわれています。 みんなしっかりと話を聞いて、メモも取っていました。
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府中家具の特徴といえば、桐を使って作る気密性の高い衣装箪笥。
片方の引き出しを押し込むと、反対の引き出しが出てくる。家に府中箪笥がある児童も多いようで「知ってる!」「面白い!」といった声が聞こえていました。
高級婚礼箪笥も除幕して披露すると、「やばい!」「すごい!」と大盛り上がり。嬉しい反応でした。
技が途絶えた象嵌技法
児童から「一番貴重な家具はどれですか?」という質問に対して最後に見てもらったのは、婚礼箪笥。
「象嵌」(ぞうがん)という技術を使って木に宝石を埋め込み、花などの絵を描き上げる手法です。
しかし、象嵌ができる箪笥職人がいなくなってしまいました。この婚礼箪笥が最後の1点。技が途絶えるのは、寂しいですね。 歴史と現状を説明する中で「別注」「ニーズ」といった少し難しい言葉も出てきましたが、先生がフォローしながら学び、しっかりとメモを取っていました。
あっという間の1時間
一通りの見学と質問を終えて、先生が「そろそろ帰りましょう」というと、「もう終わり?」「まだ30分しか経ってないと思った!」「あっという間だった!」と声が上がりました。 短い時間の中で、楽しく学んでもらえたようでよかったです。 また、遊びに来てくださいね。