【工房通信】木組みの魅力
木組みといえば木を接合させるための木工の技術です。ただの手段と思われがちですが、よく見ると面白い姿をしています。そして、その技術を目の当たりにすると、「すごい!」と気づかされることがあります。
フィンンガージョイント
指を組んだように接合されているのがこの「フィンガージョイント」。平面よりも接合に必要となる面積が広くとれ強度も強いです。天板などを複数枚の板から作り上げるときの接合としてよく見られます。
あり組
蟻の頭のような形をしていることから名付けられたと言われる「あり組」。契りのような形をしていて、しっかりとはめ込むことができて、高い強度を持つ接合方法です。板と板を直角に接合する方法の一つで、重量のあるものを収納するタンスの引き出しなどに見られます。
組継
目立つ角部分などに使用される木組みです。強度的には接着剤だけでは固定がしっかりとできないため、木の釘などで固定させることが多いです。
機能と見た目を両立
木はプラスチックや鉄などと異なり、溶かしてつけることは基本的にできません。そのため、このような伝統的な木組みを引き継ぎながら、現代では機械の力を借りて行なっています。木を組み合わせるためには、強度が必要になります。機能とも言えるかもしれません。そして、それ以上に家具の場合、意匠性が問われ、見た目や手触りも大切な要素になります。この木組みも、シンプルな家具であれば、見えるところに使用していることが多いです。そのため、機能と見た目の融合が重要になります。